筆者の経験
行きたくないと泣く子、意固地になる自分
皆さんはお子さんから”なんで学校に行くの?”と聞かれたことはありますか?
筆者はあります。
子供が小学校に進学した際、一年の八割ほどを行きたくないと泣いて過ごしました。
その時は原因を突き止めて対処しなければ!!その一心でした。
なんでかな?なんでだと思う?どうしたら良い?何か嫌な事があるの?ママに出来ることはある?
一体何度聞いたでしょうか。
その問いの先にはいきたくない原因を本人からしっかりと聞きださなければ、何とかしてあげなければ!
という筆者の強い思いがありました。
学校には行ってほしい、だから少しでも楽しい気持ちで通ってほしい、そのために行きたくない原因を突き止めてちゃんと対処してあげなければ。
筆者のその気持ちはどんなに子供が泣いても変わりませんでした。
むしろ子供が嫌がれば嫌がるほど何とかしてあげなくちゃいけない!と思いました。
筆者に訪れた変化
自分がどうにかしなければと意固地なまでに意気込んでいた筆者ですが
今は
原因を突き止めて解決するのは自分じゃない。
と思っています。
それはいつの間にか喜んで行くようになった子供の姿を見たから。
です。
結局あれだけ悩んで悩んで悩み尽くしても原因は分からなかった。
自分は何もしてあげられなかった。
状況は前となにも変わっていないはず。
それなのにいつからか笑って学校に通うようになった。
あの暗黒の日々は何だったんだろう…
筆者の辿り着いたキモチ
あれから随分と時が経った今でもたまにふと思います。
一体何が原因だったのだろうか、と。今でもわかりません。
これは想像に過ぎませんが、
もしかしたら小学校を始めるタイミングが我が子の場合はあの時じゃなかったのかもしれない。
タイミングがまだきていなかったのに小学校に入ってしまって混乱して怖くて行きたくなかったのかもしれない。
けれど、それを考えることはきっと意味のないことなのです。
この経験を経て筆者が学んだことは
答えは子供の中にある
子供が嫌がるという事は子供のキモチの現れでありそれ自体が一つの答え。
ということ。
きっと子供自身も自覚していなかったから、行きたくないという気持ちがどこから来ているのかわからないから、聞かれても答えられなかった。答える言葉をまだ持っていなかった。
原因も分からなかった、何もしてあげられなかったけれど、子供は笑って学校に行くようになった。いつのまにか乗り越えていた。
原因を突き止め対処するのは自分の役目だと思っていた。
けれど一体自分は何か役に立っていたのだろうか?むしろ追い詰めていたのではないか。今思えば余計な事をしていただけな気がします。でもその時には無我夢中でそんなことわかりませんでしたし思いもしませんでした。
学校とはなんのために行くのか
もしいじめなど自分ではどうしようもないことが原因であるならば違う対応が必要になります。
もしもそうした外的要因は無いのに学校にいきたがらないという場合。
その時にはまずは学校に行く意味を子供にしっかり伝えたいと思っています。
筆者自身は学校は素晴らしい場所だと思っています。
それは
社会からも親からも一定の距離が置かれた環境で子供同士が影響し合い学び合い、その中で自分という人間の土台を作り上げ、自分がどういう人間なのかを浮かび上がらせ自覚する事ができる。
このような場は学校以外では中々見つけることが難しいのです。
そして子供時代にこうした経験を積むことは大人になっていく上で欠かせないプロセスであると思います。学校は勉強するだけの場では絶対にありません。
学校、クラスこそが子供が触れる初めての世界の多様性を知る場であり、自分という人間を知る場であります。
学校に行く意味は大いにあります。筆者はそう思っています。
学校に替わる場
筆者が述べた学校に行く意味というのは子供には理解できないかもしれません。
筆者自身も大きくなってから実感した事です。
これを子供に伝えてもその時には響かないでしょう。
理解したとしてもそうはいっても行きたくない!と思うかもしれません。
もしも学校に行かないという意志が強かったら。
筆者は一生懸命学校に替わる場を見つけます。
勉強については心配していません。
通信教育や塾もある。オンラインで学習もできる。様々な選択肢があり、どうにかなると思っています。
学校に替わる場ーこれがなかなか難しそうです。
一つの有効な選択肢としてフリースクールがあると思います。
北海道から沖縄までありますが、通学できる範囲も限られていますし費用もかかります。実際に必要としている方がみんな通えるかと言えば残念ながらそういう訳にはいきません。が、もし通学可能な範囲にあるのであれば検討する価値はあると思います。
ご興味のある方は
NPO法人 フリースクール全国ネットワーク のHPを見てみて下さい。加盟校一覧があります。
後は自治体でも積極的に不登校の支援事業を行っています。一度ご相談されることをおすすめします。
今後もし適した場と思えるものに出会ったらまたお知らせしたいと思います。
学校に行きたくないと悩める子供を持つ方
もしも今いじめなど自分自身では状況を変えられずに悩んでいる方、周りの状況を変えたくてその糸口を探していらっしゃるかたにはこの記事は何の助けにもならないと思います。
もしもなんでかわからないけれど学校に行きたがらないお子さんをお持ちの方。
・少し休んでみる
・無理させても頑張って毎日学校に行かせる
・学校と相談して登校日を減らす、早退する
色々やり方はあると思います。
お子さんのタイプ、深刻度、それぞれ違います。
一般論がそのままあてはまるというケースも少ないでしょう。
伝えたかったのは、”原因を突き止め現状をどうにかしなければ”、と常に考えている思考を一度止めてみませんか?ということです。
一刻も早くこの状況をどうにかしたい!という気持ちはすごくよくわかります。親にも生活がありますから。
けれど、そういった考えなしにお子さんと触れあい寄り添ってみて下さい。
状況を何とかしなくてはいけないのはあなたではないかもしれません。
意外と子供が自分でいつの間にか答えを見つけて納得する時が来るかもしれません。
少し、ひと呼吸おいてみてはどうでしょうか。
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