【感謝】駐在先での人との出会い、人生が誰かと交差するということー何もできず不安の只中にいたあの頃の自分への思い

駐妻後の人生

 

海外に駐在員として住んでいると人の出入りが頻繁にあります。

現在の私はというと、古参の友人がどんどん帰国していき当初仲良くしていた友人が殆ど誰もいなくなってしまいました。残った数名もそれぞれ子供が大きくなり環境が変わり会う機会も自然と減っていきました。寂しくもあり、それぞれ事情があるから仕方がないといった割り切りもあります。

そんな中、つい先日最後の別れのご挨拶をした友人がいます。

その方は私が駐在に来て間もなく知り合った方でした。

知り合ってから2,3か月ほど幾度か遊んだあと、諸事情あり顔を合わせることは先日の最後のご挨拶の時までありませんでした。

少しの間通った子供のデイケアが同じで駐車場から教室まで一緒に小話をしながら歩いた事、何回か一緒に遊んだり我が家にも美味しい手土産とともに遊びに来てくれたこと。共有した時間はとても短かったのに、なぜかとても鮮明に覚えています。

恐らく、右も左もわからず、英語もわからないし、運転も怖いし、新しい人間関係のお付き合いに気を使い、新しい環境に戸惑う子供のサポートもうまくできず、本当に何もできない自分に落ち込み、不安の只中で過ごしていたあの頃への思いが強いからだと思います。ある程度一人でなんでもこなせるようになった今でもあの頃の自分を思い出します。そして、思い出すたびに涙が出ます。どうしてでしょう。辛かった当時の気持ちを思い出したからだけではなく、そのころの自分に感謝しているのかもしれません。苦しんで苦労してトライ&エラーを繰り返し今に至ったことが嬉しいのかもしれません。

今は来た当初感じていた不安や挫折感を日常生活で感じることはあまりなくなりましたが、それでもふとした時にあの頃に思いを馳せることがあります。すると必ずその友人の事が思い浮かぶのです。

その方は駐在期間がもう6,7年になっていた頃で、幼少期の殆どを海外で過ごされて、外資系金融機関で円債トレーダーとして働いていた方でした。いつもカジュアルでにこやかでとても素敵な方です。その彼女の姿に強く憧れました。様々な経験をされてきて、なんでもできるのに人を構えさせない物腰。本当になんでもできる人ってこういう人なのだ、と敬服しました。

その方が本帰国するので良かったら不用な物をらってくれないか、という事でご連絡を下さりご挨拶をする機会を持つことができました。

10分程度の短時間でしたが変わらぬ佇まいに思わず涙がこぼれました。

苦しかった時期にひと時のほっとした時間と子供に笑顔をくれた方。

共に過ごした時間は本当にわずかなのに強烈な印象を残した方。

恐らく、違う状況で知り合っていたらまた違ったのかもしれません。

苦しい時期に光をくれた方だからこそ、多くの楽しい時間を過ごした友人たちとはまた違う感情がわいてくるのだと思います。

帰国前の忙しい時間に自分の事を思い出して下さったこともとても嬉しかったです。

今度お目にかかる時はお互いがどのようになっているのか、今から再会が楽しみです。

 

こうした人たちと自分の人生が交差することで、時間に意味や意義が生まれるのだと強く実感します。

自分が今ここにいること。家族や友人がいてくれること。日常が平和であること。

懐かしい大切な方との再会に様々な事への感謝の気持ちが溢れてきた、そんな感覚の中この記事を書きました。

皆さんにも多くの素敵な出会い・時間が訪れますように。

 

コメント