帰国後の子供のキモチー親としてできることは相互理解の架け橋になること

帰国後の学校選び

駐在から帰国して感じる違和感。

それはもしかしたら渡航時に感じた違和感よりも大きいかもしれません。

自分の生まれ育った国に帰ってきたはずなのに何か違う・・・・

それはもしかしたら当たり前の感情なのかもしれません。

異国とはいえ一定期間を過ごした土地。いつの間にかそちらの生活環境や考え方に知らず知らずのうちに染まっているものです。子供にとってはすでに外国の方が慣れ親しんだ土地となっています。

日本の学校文化については戸惑う事、驚く事の連続であろうと思います。日本の学校生活を始める上でどのようにすれば戸惑いや違和感が緩和されるだろう、ということを考えてみました。

帰国時の筆者のキモチ

 

オセアニアののんびりとした自然豊かな土地から帰国したのが4年生の頃。

その時に感じた違和感と言うのはこの年齢になるまで深く記憶に刻み込まれました。

それがトラウマになっている、という意味ではなく大きな衝撃だったのだろうと思います。

日本から異国に渡った時よりも、異国で過ごした数年間よりも、日本に戻ってきた時のことが一番鮮明に覚えているのです。

筆者が感じた違和感の詳細についてはすでに下記リンクの記事で述べました。

帰国後の子供のキモチーかつて帰国子女だった経験からお伝えします
海外駐在に行く時と帰る時、どちらが我々にとって大きな変化なのでしょうか。 住み慣れた土地を離れ、文化も言葉も風景も何から何まで違う異国に行き、子供のケアをしながら生活をスタートさせるのは親にとっても非常に大変なことです。”必死”の一言...

では、その時に筆者は両親になにかしてほしかったのだろうか?

という問いを自身に投げかけてみました。

特になにかしてほしいと思っていなかった。そう感じていた記憶があります。

ーなぜそう思ったか

心配かけたくなかったから、うまく馴染めていると思っていて欲しかったから。

そう願ったのだと思います。

子供は親の喜ぶ顔が見たい、親を喜ばせたい、悲しませたくない、と潜在的に思っているものだと思います。

だからこそ、筆者は親に学校に行きたくないというストレスを抱えているという事を悟られないよういってきますと玄関を出てから吐いていたのだと思います。

自分で乗り越えていくもの、そうでないもの

とはいえ、さすがに筆者の母親もアパートの植え込みで吐いていることに気が付きました。

学校や新しい環境に馴染むのに苦労していると理解しましたが、筆者の親は学校に相談したりなど特に何もしませんでした。

なぜなら慣れるしかない、時が解決すると、判断したから。そして筆者も実際に慣れました。

暗くてかっちりした学校の雰囲気にも、先生に叩かれないように気を付けることも、上級生に気を使うことも、狭い自宅にも、周りに自然が無いことにも。

そして以前の生活を思い出すことが少なくなり、いつの間にか筆者は”帰国子女”ではなく、普通に前からそこにいたような周りとなんら変わりない子になりました。

そういう我が子を見て親はどう感じるのでしょうか?

・環境に馴染んでくれて安心した

・以前のようなのびのびした感じがなくなって少し残念

・日本に馴染めたのは良いけど語学は忘れないでほしい

・これからも海外にでるだろうからあまりどっぷり日本に漬からないでほしい

・本人が居心地が良ければなんでも良い

それぞれが様々な考えがあると思います。

しかし、子供が自分で試行錯誤してそこに至ったということを認めてあげなければなりません。それは簡単な事ではないからです。

とりあえずは親の望みは押し付けずに子供の様子をしっかりと見てあげてください

親はまずは黙ってしっかり見守る!これに尽きます。

親が何かしてあげた方が良いこともある

親は殆どの場合何もしなくても紆余曲折はあれど子供はそのうち環境に馴染んでいきます。

とはいえ、子供本人ではどうしようもないこともあります。

それは

誰かから否定的な態度を取られたり否定的な事を言われる。

そしてそれがエスカレートしていく。

これは帰国する我が子を持つ親の大きな心配事と思います。

今は親世代が子供だった頃と子供を取り巻く環境が変わっている為一概にこう対処するのが効果的、ということは言い難いです。

そういう状況に置かれた時には状況をよく聞き、学校に相談が必要かなど親がよく考える必要があります。

子供の性格にもよりますが、学校で辛い立場に置かれているということを自分から話してくれればよいのですが、心配かけまいと隠そうとする場合があります。

時間が解決してくれる場合が殆どではあると思いますが、こうしたケースに気づいてあげられるよう、やはり帰国後学校生活をスタートさせた際に気を付けて日々の様子をしっかり見守ることが重要になってきます。

海外では褒められていたことが日本では注意される⁉

海外では積極的に自分の意見を述べたりすることが授業への参加意欲旺盛と理解されて評価に繋がります。一方日本ではそうした態度が疎まれたり周囲から浮いてしまうということに繋がったりします。学校文化は外国と日本で一つ一つ大きく違います。子供はとても戸惑うと思います。海外に渡ってからの子供の周囲に適応するためにしてきた努力を知っている親としてはこうした思いを子供がするというのはとても悲しいことですよね。

どちらが良い、悪いではない

海外と日本の学校文化、各自合うあわないがあると思います。私自身もあります。”え、そんな事学校でするの?””そんなことどうでも良いのでは⁉”。正直こう感じることも沢山あります。けれど、親子であっても別の人格。私が気を付けているのは”ジャッジしない”ということです。

状況を子供に伝えて、その中で子供自身が考えて自分が思うようにやってみてほしいと考えています。それが自立に繋がるからです。

学校文化の違いに戸惑う子供のキモチを受け止め、日本と海外について中立的な立場から子供に状況を伝えるよう努めることが親の役割

外に向けての働きかけ

日本の学校生活に入っていく際の緩和剤として、子供に日本の学校について、学校の決まり、学校生活について親が思いつく限り子供に伝えておくと同時に外に対して働きかけることもやっておくとよりスムーズかと思います。

【子どもが日本で学校生活を始める前にやっておきたいこと】

・担任の先生に子供の性格や海外で受けてきた教育についてあらかじめ伝えておく

・担任の先生の指導方針を聞き、子供にしっかり伝える

・日本の良い面も沢山伝える

これは学校生活をスムーズに始められるよう相互理解を図ることはとても重要です。先生の教育方針を子供に伝えておけば先生から注意された時にも冷静に受け止めれらるのではないかと思います。

子どもの性格はこうで、海外ではこうでした、と言うと小うるさい親だ、と思われないだろうか・・・。といった不安もあると思います。こうしたことを伝えるのは先生にうちの子にはこうしてほしいと”要求”するためではなく、相互に理解しあうためであるという気持ちが伝わるような言い方や態度を心掛けましょう!

必要があれば恐れず環境を変えたり専門家の力を借りよう!

日本での学校生活をスタートしてみて問題が深刻化・長期化するようであれば帰国子女受け入れ校への転校も一つの手です。また、心理カウンセラーや専門家からのアドバイスを仰ぐなども有効な手段です。

最後に

新しい環境に入っていくというのは外国であっても母国であってもどちらでも大変なものです。

海外と日本とを行き来する子供達が懸命に奮闘する姿は胸を打ちます。こうした苦労や経験は必ず将来に繋がっていきます。それが良い方向に結びつくように親がよく目を配りながら導いていけたら良いですよね。私もこのサイトで少しでも役に立つ情報を発信できたらと思います。一緒に頑張りましょう!

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