帰国後の子供のキモチーかつて帰国子女だった経験からお伝えします

帰国後の学校選び

海外駐在に行く時と帰る時、どちらが我々にとって大きな変化なのでしょうか。

住み慣れた土地を離れ、文化も言葉も風景も何から何まで違う異国に行き、子供のケアをしながら生活をスタートさせるのは親にとっても非常に大変なことです。”必死”の一言ですよね。

一方帰国する際には住み慣れた土地、言葉も文化も慣れ親しんできたものの中に再び戻るわけです。言葉の壁もありませんし、駐在をスタートさせる時よりも物事が思うように進んでいくと思います。気持ちとしては異国とはいえ数年間生活した土地を離れるのは寂しいものがあるでしょう。と同時に異国で暮らす緊張感から解放された、と感じる方もいらっしゃると思います。そして再び新しい生活をスタートさせるため家選び、学校選び、生活環境を整えるためにとにかく突き進んでいきます。

渡航時帰国時いずれも大人はとにかく目の前のやらなければならない事をがむしゃらにやります。

一方子供はというとどうなのでしょう。

駐在に出る時にはおじいちゃんおばあちゃん、仲良しの友達との別れの余韻に浸る間も無く、異国の地に降り立ったその時から引っ越し、家選び、諸手続き、これらの用事に引っ張り回されます。

見慣れない景色、自分たちとは違う顔や言葉。

きっと色々ありすぎて処理しきれません。

それでも生活のセットアップが終わり落ち着いて生活できるようになって1、2ヶ月経つと元気になってくる場合が多いかと思います。

筆者の子供は到着してサービスアパートメントに2週間程滞在していた間、日本に帰りたい、お友達やおじいちゃんおばあちゃんに会いたい、と時差ボケとホームシックでよく泣いていました。

自宅に移り住んで学校が始まってもやはりなかなか馴染めず。行きたくない、と泣いていました。その様子を見て、大人の都合で見ず知らずの土地に連れてきてごめんね、と心の中で謝っていました。

学校に1人仲良しのお友達ができて、それからようやく元気に通うようになりました。自分の居場所を見つけたのですね。今となっては遠い昔の事のように感じますが、右も左もわからなかった当時は一日一日を過ごすのがやっとの状態でした。私自身も思うようにいかないことが多く挫折感や無力感に苛まれる日々でした。

そして今度は帰国時。

これは筆者自身の話しです。

筆者自身は1年生で日本からオセアニアの国に移り住みました。のどかな海の綺麗な町で自然に囲まれながらのびのび生活していました。

年齢もあるのでしょうけど、日本からそこに移り住んだ時のことはほとんど記憶にありません。

けれど、それから三年後の帰国時のことは不思議と様々なことを覚えています。

日本の新しい住居の狭さに驚いたこと(狭くて嫌だったのではなく”面白い”と感じたのです)

新しいクラスに紹介される時に先生からなにか英語しゃべってみてと言われたこと

上級生と下級生の交流が全然無いこと

上級生には丁寧に接しないと生意気と言われること

先生が生徒を叩くこと

学校の雰囲気が暗くてかっちりしていてなんとなく居心地が悪かったこと

学校に行くのが嫌で毎日アパートの植え込みで吐いていたこと

親に心配をかけたくなかったこと

自分の国なのに中々馴染めない事に罪悪感があったこと

あっちの生活の方が良かったと、人前で口にできない雰囲気を感じていたこと

こうして挙げてみるとなんだかネガティブな事ばかりですね…(^^;)。

時代もあるのでしょうし、筆者の年齢もあるのだと思います。

筆者は渡航時よりも帰国時の方がずっとずっと苦しかったです。

帰国時には子供の年齢は上がっています。学校の周りの子たちの感じ方や考え方も年齢が上がれば複雑になっていますし、大人の事情も色々わかっています。

例えば帰国時の年齢が小学校低学年であればまた違うのかもしれません。

中学生以上であれば周りの空気を読むのもお互いに上手くなっています。

帰国時が小学校高学年の頃は割と難しい時期かもしれません。

思春期に差し掛かり心も体も大人になっていく時期。けれどまだまだ精神的には成熟していなくて人を傷つける事に対しても、自分の身を守る事に対しても無防備です。

時代は変わり学校現場も変わりました。子供の性格によっても受け入れる学校によっても全然違います。

筆者の経験がどこまで役に立つのかはわかりませんが、お伝えしたいのは

お子さんをお持ちのお父さんお母さんは、母国に帰るのだから大丈夫、すぐに慣れると安心してしまわずに子供の様子によく目を配ってあげてください。ということです。

勉強が遅れている、日本語が未熟というのは時が経てば子供はしっかり追いつきます。心配いりません。

それよりも環境が変わったこと、学校生活、日本での生活をどう感じているのかそれとなく聞いてあげてください。

もちろんそれも時間が経てば慣れてなにも感じなくなるのでしょう。

けれどそうなるまでの道のりは決して単純で簡単なものではないということをよく覚えておいてあげてください。

子供はすぐに環境に適応するから大丈夫!というのは筆者の経験上間違いです。下記リンクはこの記事の続編になります。よければ読んでみて下さいね。

帰国後の子供のキモチー親としてできることは相互理解の架け橋になること
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コメント

  1. kikko より:

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