狙われていませんか?親心とお財布ー英語教育とプログラミング教育

教育関連一般

大学入試改革

小学校5、6年生での英語教科化

小学校におけるプログラミング教育の必修化

教育現場でのICT活用

などなど、今教育界では様々な取り組み試みが始まっています。この記事を読んで下さる方々もおそらくこうした教育界の大改革について日頃からしっかりアンテナを張って何が行われているのかご存知のことと思います。(現場の先生方のご苦労を思うとこちらまで胃がキリキリするような気がしてきます…)

 

“従来の受け身の詰め込み型の教育では複雑化・グローバル化する社会で生き残れない”

“親世代の常識はもはや通用しない”

“小学校入学までにこれはやっておきたい”

“脳の臨界期がくるまえに英語を始めないと”

“子供の学力は母親次第”

このような文言は様々なメディアで散々目にします。

戦々恐々とする親たち

ちまたにあふれる天才児本

天才児の作り方

天才児に育てる習慣

子供の才能の見つけ方・伸ばし方

海外一流大学に進んだ子供の勉強法

このような書籍が沢山あります。

こうした本ってとっても気になりませんか?

親としては可愛い我が子の可能性を最大限引き出してあげたいし、経済的にも精神的にも豊かな人生を歩んでいってほしい。

やはりそう願うと思います。

ーでは一体そうなるためにはどうしたら良いのか。

そう問われると

……………

となってしまうのです。

筆者などは放課後駄菓子屋さんで買い食いしたり公園で遊んでばかりいた子供時代を経て大学を卒業し就職して…今に至ります。

ですから”才能を見つけて伸ばす”、だとか”天才児に育てる習慣をつける”、と言われるとどうして良いのかわからないのです。

だからそうした本の見出しを見ると

そういうの、知っておいた方が良いのかしら

知らないと損するのかしら

読んでそのメソッドを日常に取り入れないと後々取り返しがつかなくなるのかしら

など、気持ちがざわざわしてくるのです。

 

英語の次はプログラミング教育ー翻弄される親

英語は小学生の習い事の上位に常にランクインしています。

・語学は早く始めれば始めるほど良い

・小学校でも英語の授業が始まるから

・今の時代英語ぐらいできないと取り残される

・英語ができれは将来の選択肢がぐんとひろがる

・将来世界で活躍する道が拓ける

こうした親の不安や期待を英語教育というのは実にうまくくすぐります。

そして今親の不安と期待をくすぐるものに”プログラミング”が加わりました。

実際にプログラミング教室は増え始めています。

プログラミングを早いうちから学ぶ事で

・論理的思考力が身につく

・ゲーム作成などを通して楽しみながら身につく

・IT化が進む中で将来役に立つから

・年齢や学歴に関わらず多くの可能性を秘めた分野

・世の中の流れから取り残されないように

・AIに取って代わられ仕事が無くなるので高いスキルを身につけておかないといけない

これまた英語教育と同じように不安と期待を刺激されるような文言が並びます。

特に学校でなされるプログラミング教育については具体的に何をどのようにやるのかが明示されていないためまだまだわからない部分が多く、それが一層もやもやさせます。

少子化の影響をもろに受ける教育界

子供の絶対数が減っているのですから教育業界が既存のビジネスモデルのままで生き残れないのは明白です。

英語やプログラミングの必修化により莫大な予算が注ぎ込まれます。

そしてそのプロジェクトに携わる教育業界には大きなお金が入り、不安と期待をくすぐられた親からはさらにお金が入ってきます。

習い事の低年齢化が言われて久しいですが、これも少子化によりターゲットの裾野を広げる必要性に駆られた結果でしょう。

 

狙われる親のふところと親心

親心の精神構造

以前にこちらの記事で”親心”という言葉を用いました。

子供の習い事ーやめる勇気⁉
筆者の周りでは皆さん習い事に忙しくされています。 週3,4日は当たり前です。 幼稚園前の年齢のお子さんはリトミックやスイミング 幼稚園、小学校低学年のお子さんはバレエ、ジムナスティクス、スイミング、サッカー、アート、公文、...

これをやっておいた方が良いのかしら、あれもやっておいた方が良いのかしら。

そう悩むのもやはり親心なんですよね。

だから必要なのではないか、やっておくと良いのではないかというものについつい財布の紐が緩みぽんぽん払ってしまう。

多少無理をしても環境の整っている私立に通わせたり、評判の良い塾や習い事教室に通わせたり。

我が子への愛情、期待、不安に溢れた親は将来役に立ちそうなものにとてもとても寛大なのです。

抜け落ちている”子供”がもともと持っている力の認識

“予測するのが難しいこれからの時代を生き抜いていける力を身につける”

こうした文言は新学習指導要領、学校のパンフレット、塾や習い事の教室、ありとあらゆるメディアに溢れています。

ここまでくると子供は何もしないと生き抜く力が身につかない、才能を伸ばせない存在であると信じ込まされているような気がしてきてしまいます。

だからより良い環境でより良い教育を受けさせたい。そんな気持ちが膨らんでしまうのですね。

でも本当にそうなのでしょうか?

今一度自分のお子さんの生まれてから今までの過程を思い出してみてください。

別に特別な事をしていないのに実によく育ってくれている、そう思える事沢山ありませんか?

知っておく事、実践する事

教育業界、日本と世界の現状を知っておく事はとても大切な事です。

覚えておきたいのはその情報を発信しているのはメディアであり、そのメディアの後ろには巨大な利権があるということ。

鵜呑みにして次はコレをやらなきゃ!と奔走するのではなく、知っておくことと実践することをしっかり分けましょう。

そうしないと親と子、家族みんなが疲弊してしまいます。

海外で暮らす我々からすると、日本に帰国した時に子供が苦労しないようプログラミングの通信講座もとったほうが良いのかしら、と思われるかもしれません。

それも1つの選択です。

その際には苦労しないように、安心だから、という理由だけではなく

それをやる事で何を学ぶのか

何のためにやるのか

時間的な余裕はあるのか

しっかり考えてみて下さい。

何かを始めるのはいつでもできます。けれど、今のこの時間は今だけのものです。

何に大切な時間とお金を使うのかをとことん考えてみて下さい!

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